2012-11-29

黒﨑 加津美さん 作品•メッセージ




黒﨑 加津美


KUROSAKI Katsumi



掛け軸型「Alice-R」「Alice-L」



36.4x90cm 油彩







「花の子a」   「花の子b」



油彩 F6




昔から私の中では、空虚な焦燥感が心を支配していました。私は、体の中身が空っぽのよ うな意識と、千切れて粉々になりそうな心を抱えた子供だったのです。大学時代には立体 作品を主に制作していました。それも子供の頃からの空っぽの中身や悶々とした思考を具 現化するものでした。そして、大学を卒業して始めた絵画も、どこか空虚なものを抱えた 人物が題材でした。「空虚」とは、自己の確立がなされていない子供特有の、確固たる芯 のようなものがまだ出来ていない未熟感から来る焦りだったかもしれませんが、私は大人 になっても空虚なままなのです。そして、少女の心のまま成長が止まった大人が見た世界 の絵を描き続けてきました。

一般的に、人は過去の経験や想いを背負って存在しているように私は思います。全ての過 去は今の自分を作る為に必要な出来事なのです。しかしそれらは忘れ去られている場合も 多く、その中には、例えば、飼っていた犬が死んだ時の自己の延長に対する喪失感や、意 地を張ってついてしまった小さな嘘に対する罪悪感など、ささいな事かもしれないですが 本人にとっては忘れてしまうのは惜しい事もあるでしょう。過去というのは、本人にしか 分からないもので、本人しか慰めてやれないものなのです。鑑賞者が私の作品を通じて過 去へと戻り、又過去の弱い自分を赦したい気持ちが起こってくれることを、私は心から 願っています。

現在は千切れた少女の一部を連作で描いています。それは見る者によっては悲しみを感じ るかもしれませんが、美しい少女です。ただそれが、少女の頭だけであったり、手足だけ であったりするだけです。美しさと儚さは、過去の思い出とよく似ています。それは、記 憶の断片とは完全な姿ではないと思うからです。 つぶやくように描かれた私の世界、それは 「神秘的な過去に、おぼろげな人生の始点を 包み込む*」ような優しさを包含した空間で、鑑賞者が過去に来てしまったように感じる 展示を提供していきたいと考えております。




受賞暦 
2005年 青木繁大賞展 入選 2005年 スペイン美術賞展 入選 2011年 カメラのキタムラフォトコンテスト キタムラ賞
アーティストインレジデンス 2011年  Espace des ARTS SANS FRONTIERES, Paris, France
企画展示
2012年 KIRAKIRA -twinkle twinkle little star- act1,Gallery one twenty eight , NY, US
2012年 Japan Edge, Galerie Metanoia, Paris , France
2012年 Berlin Art Festival , GALERIE DEN , Germany
2011年 福岡フォトフェス、 アクロス福岡、日本
2011年 une certaine atmosphere de complicite,Espace des ARTS SANS FRONTIERES, Paris, France
2004年 青木繁大賞展 石橋美術館、日本 2004年 スペイン美術賞展 palacio de exposiciones de Santander , Spain
個展 2008年 『colors of light  アクロス福岡、日本
学歴 東京藝術大学 大学院 漆芸専攻終了 東京藝術大学 美術学部 工芸科卒業
言語 日本語  英語 TOEFL CBT スコア220



0 件のコメント:

コメントを投稿